学研HD、ベトナムのエドテック企業と資本提携
【ハノイ=大西智也】学研ホールディングス(HD)は8日、ベトナムで幼稚園の情報サイトを手掛けるキディハブ・エデュケーション・テクノロジー(KH)と資本提携したと発表した。3年後をメドにKHの過半の株式を取得し、傘下に収めることをめざす。科学実験などを通じて考える力を育む「非認知教育」を広げる。
KHは2020年設立。ベトナムで保護者向けに幼稚園や塾などの口コミサイトを運営する。施設登録数は約9000、サイトの訪問者数は1日約6千人でベトナム最大規模とされる。両社は21年11月に業務提携を発表しており、教育とデジタル技術を組み合わせた「エドテック」分野で関係強化を模索していた。
学研は近くKHの第三者割当増資に応じる。当初の出資比率や金額は非公表としているが、段階的に株式を取得しKHは3年後をメドに学研グループになる見通しだ。
ハノイ市内で8日に会見した学研の百田顕児取締役は「成長市場のベトナムで遊びながら学ぶという教育プログラムを展開していきたい」と話した。KHのブー・バン・トゥン最高経営責任者(CEO)は「学研の支援を得ながらエドテック業界で国内トップをめざす」と語った。
両社は営業活動を近く始め、9月以降に本格展開する。学研はKHが持つ幼稚園のネットワークを活用。育成した講師を派遣するモデルなどで、自ら課題を見つけ、問題を解決する力を育成するSTEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)教育を私立幼稚園で提供する。将来、大都市圏を中心に約2000の幼稚園などに広げることをめざす。
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